平成30年度の障害者虐待対応調査が公表されました(お知らせ)

南野が熱すぎる。又村です。

欧州サッカー大好き人間としては、最近の南野選手リバプール移籍ニュースが何度見ても胸アツ。
現状で世界一のクラブで、名将クロップが指揮する・・活躍して欲しいわあ。

・・という、ニワカと言われてもいいネタはさておき、

今日は、厚生労働省が毎年公表している障害者虐待対応調査(平成30年度)が公表されました、というお知らせです。

【平成30年度都道府県・市区町村における障害者虐待事例への対応状況等(調査結果)】
https://www.mhlw.go.jp/stf/houdou/0000189859_00003.html

この調査は、障害者虐待防止法に基づき、毎年度の虐待件数(相談・通報件数や虐待と認定した件数など)を公表するものです。
障害者虐待防止法では、虐待してしまう人を「養護者(親・家族)」と「障害者福祉施設従事者等(事業所職員)」と「使用者(雇い主・従業員・会社組織)の3類型に分けています。
この類型ごとに、平成30年度の状況は次のとおりです。なお、カッコの中は平成29年度の実績となります。

養護者
相談・通報件数 5,331 件(4,649 件)
虐待判断件数 1,612 件(1,557 件)
虐待を受けた人の数 1,626 人(1,570 人)

障害者福祉施設従事者等
相談・通報件数 2,605 件(2,374 件)
虐待判断件数 592 件(464 件)
虐待を受けた人の数 777 人(666 人)

使用者
相談・通報件数 641 件(691 件)
虐待判断件数 541 件(597件)
虐待を受けた人の数 900 人(1,308 人)

ここから分かるとおり、養護者と障害者福祉施設従事者等(以下、支援者)からの虐待はあらゆる件数が増加している反面、使用者からの虐待はあらゆる件数が減少しています。これは、使用者からの虐待が、いわゆる最低賃金の除外(同じ仕事をしているのに、障害者だけ最低賃金を下回る賃金しか払わない)を手続きせずに行っているケースを「経済的虐待」として取り締まっていることと関係します。過去からの経緯では、使用者からの虐待が突然激増した時期があったのですが、これは上記の理由からです。逆に、ここ数年はようやく支払うべき賃金を支払うようになってきた(ので、件数が減った)といえるでしょう。

一方、養護者と支援者からの虐待防止には歯止めがかかっていない状況です。もちろん、法律の趣旨が浸透した結果、これまでなら「見過ごされてきた」事案がしっかりと通報なり相談なりへ結びつくようになったことはあると思います。
ただ、ここ数年ずっと「虐待していた人」が40歳以上の男性であること、「虐待されていた人」が、養護者では比較的若い女性、支援者では比較的若い男性であることは変わっていません。また、支援者からの虐待については、引き起こした要因が「教育・知識・介護技術等に関する問題(73.1%)」「職員のストレスや感情コントロールの問題(57.0%)」「倫理観や理念の欠如(52.8%」であることも変わっていません。
一方で、生活介護と就労継続支援B型における虐待案件が急増しています。生活介護についてみると、平成29年度は54件で全体の11.6%だったものが、平成30年度は106件で全体の17.9%となっています。また、継続Bは、平成29年度が43件で全体の9.3%だったものが、平成30年度は74件で全体の12.5%となりました。
この辺りのところは、さらに傾向分析(あるいは地域差の有無の分析)を進めて、各地で開催される虐待防止研修へ生かす必要があると思われます。

では、今回はこれくらいに。

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