障害児入所施設の在り方に関する検討会・中間報告が公表されました(その5)
イクラ代替品。又村です。
昔からイクラ代替品と呼ばれるものはあったようですが、いよいよ「タピオカのしょう油づけ」という最終兵器が投入された模様。いやあ、お店で見た時は久しぶりにサブイボ出たわ(笑)
・・という、そこまで食べたいか?!なネタはさておき、このところ、障害児入所施設の在り方について取り上げています。
【障害児入所施設の在り方に関する検討会】
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai_321418_00001.html
【障害児入所施設の在り方に関する検討会・中間報告】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07758.html?fbclid=IwAR1j7fiPbo3AE0dK1E0mthfq0RIY2DIMhfhZBBQXGKSl32lUnhiUkBIroq0
【障害児入所施設の在り方に関する検討会中間報告・目次】
※ 終わった項目は削除していきます
4.施設種別ごとの課題と今後の方向性
(2)医療型障害児入所施設の課題と今後の方向性
1)発達支援機能
① 福祉的支援の強化
② 強度行動障害児等への対応
③ 医療的ケア児への対応
④ 教育の強化
2)自立支援機能
① 児者一貫のもとでの発達支援・自立支援
② 地域生活への移行に向けた支援
③ 有期有目的支援の強化
3)社会的養護機能
被虐待児等の増加を踏まえた支援力の強化
4)地域支援機能
① 短期入所を活用した支援について
② 通所支援の活用について
③ ソーシャルワーカーの配置について
(3)福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性
① 契約入所と措置入所の整理
② 質の確保・向上
③ 入所施設間の連携強化について
④ 障害児入所施設の名称の変更
⑤ 権利擁護について
⑥ 他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用
⑦ 都道府県・市町村の連携強化
(4)機能強化に向けた取り組み
5.最終報告に向けて
今回は、医療型児施設の課題と今後の方向性を取り上げます。
医療型についても、大きくは「発達支援機能」「自立支援機能」「社会的養護機能」「地域支援機能」の4点を指摘しています。
発達支援機能では、「福祉的支援の強化」「強度行動障害児等への対応」「医療的ケア児への対応」「教育の強化」「家庭的な養育環境の推進」を掲げています。
福祉的支援の強化については、医療型を利用する子どもの多くが状態安定のための医療的な支援が日常的に必要不可欠であることを踏まえつつ、たとえば一見反応が非常に乏しくとも、適切な支援により周囲からの働きかけを受け止め、意識し、感じ、表出につながっていく可能性があるといった観点から、発達支援が重要であるとしています。重度障害児にとっての発達支援が重要であることの認識を職員間で共有すること、主な担い手となる保育士等の配置促進を提言しています。
強度行動障害児等への対応では、医療型児施設でも著しい睡眠障害(昼夜逆転)、自傷・他傷、著しい多動、異食行動など、常に見守りが必要な入所児童が一定数存在していることから、強度行動障害児特別支援加算は福祉型に限られていることなどを踏まえて医療型でも支援の充実を求めています。
医療的ケア児への対応では、いわゆる重症心身障害に当たらない、歩ける児童や知的障害を伴わない児童が増加していること、こうした重症心身障害児以外の医療的ケア児に対するさらなる支援を図る必要があるとしています。
教育の強化では、医療型児施設の場合、訪問教育や院内学級等により教育が行われているケースが多いことを踏まえ、子ども同士の育ちあいを促進する等の観点から、入所児童と地域の児童との交流の機会を増やしていくべきと指摘しています。
家庭的な養育環境の推進については福祉型とほぼ同じですが、医療を必要とする子どもが利用することを前提に、地域小規模障害児入所施設(障害児グループホーム)(仮)の導入までは踏み込まず、ユニット化等によりケア単位の小規模化を推進することを提言しています。
次の自立支援機能は福祉型と異なり、医療型では「児者一貫」が前提とされました。これは、医療型では施設を移動することなく障害児入所支援(児童期)と療養介護(成人期)を一体的に運営する仕組みが恒久化されていることによります。
逆に、療養介護への移行に際しては、支援主体が児童相談所から市町村へ移ることもあり、家族や地域、自治体、教育機関、相談支援事業所、障害福祉サービス事業所、医療機関など関係者・関係機関が連携して、対象となる児童のアセスメントやその後の適切な支援の在り方について協議が行われるようにしなければならない、としています。
一方で、地域生活への移行については医療型でも進められていますが、外泊時の加算は福祉型に限られており、医療型におけ地域生活移行への支援が重要とされています。
その他、期限を区切って集中的なリハビテーション行う「有期有目的支援」の強化も示されました。
社会的養護機能、地域支援機能については、福祉型とほぼ同じ内容となります。ただし、地域支援機能においては、特に短期入所の提供が強調されています。短期入所は単に家族のレスパイト利用だけ止まらず、障害児の育ちの保障、家族が安心して豊かな生活を送れるよう、家族全般のニーズを把握することが重要とされました。そして、福祉型・医療型の両方とも短期入所が地域の中で計画・運営されるよう、次の障害児福祉計画の中で明示すすること、また、体制を整備するたるためにも報酬の見直しが必要であるとされました。
これで、医療型施設の課題と今後の方向性を終わります。次回は全般的な課題とまとめに進みます。