障害児入所施設の在り方に関する検討会・中間報告が公表されました(その6・おわり)

食べ放題。又村です。

皆さまもご存知の「餃子◎の王将」が、いよいよ食べ放題を始めるのだそうで。どれくらい食べられるかなあ。20年前なら無限ループも可能だったと思いますが。

・・という、やはりご飯と食べたいネタはさておき、このところ、障害児入所施設の在り方について取り上げています。今回が最終回となります。

【障害児入所施設の在り方に関する検討会】
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/other-syougai_321418_00001.html

【障害児入所施設の在り方に関する検討会・中間報告】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_07758.html?fbclid=IwAR1j7fiPbo3AE0dK1E0mthfq0RIY2DIMhfhZBBQXGKSl32lUnhiUkBIroq0

【障害児入所施設の在り方に関する検討会中間報告・目次】
※ 終わった項目は削除していきます

(3)福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性
① 契約入所と措置入所の整理
② 質の確保・向上
③ 入所施設間の連携強化について
④ 障害児入所施設の名称の変更
⑤ 権利擁護について
⑥ 他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用
⑦ 都道府県・市町村の連携強化
(4)機能強化に向けた取り組み
5.最終報告に向けて

福祉型・医療型に共通する課題と今後の方向性では、大きく「契約入所と措置入所の整理」「質の確保・向上」「入所施設間の連携強化」「障害児入所施設の名称の変更」「権利擁護」「他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用」「都道府県・市町村の連携強化」が示されています。

中でも大きな課題が契約入所と措置入所の整理です。
児施設の利用は、保護者が児童相談所へ利用申込をして受給者証が発行される「契約」と、児童相談所が保護者による養育が難しいと判断した場合に受給者証なしで利用できる「措置」に分かれますが、全国でばらつきが生じている実態があります。もちろん、どちらで利用するのかを見極めるための通知はあるのですが、運用の平準化が求められるところです。
質の確保・向上については、児施設についても放課後等デイサービスや児童発達支援と同じうように運営指針の策定や第三者評価の導入について検討が必要とされました。
障害児入所施設の名称の変更については、障害児の通所支援が「児童発達支援」のような名称になったことを踏まえ、児施設についても「児童発達支援入所施設(仮)」等に変更することが提言されています。
権利擁護に関しては、子どもにとって最善の利益を実現するため、障害のある子ども達の意見表明について具体的な取組が求められていることから、意思決定支援の実施などが重要とされました。その際には、子ども自身が自分の成長を知ることができるよう、社会的養護分野で取り組まれている「権利ノート」などを参考とすべきとされました。

他の障害福祉サービスや他分野の施策の柔軟な利用については、児施設の利用児童は(児支援で365日の支援を提供するため)他の障害児者支援サービスが併用できないこととされていますが、退所後の生活を見据えて、二重給付とならないようにしつつ、入所中から柔軟に利用できるようにすることについて検討する必要があるとされました。
最後の都道府県・市町村の連携強化は、入所児童の退所後の地域生活を支える役割は主として市町村が担うことになるため、関係者・関係機関による協議に、児童相談所を含めた都道府県等や市町村も積極的に参画する、自治体職員と日ごろから「顔の見える関係」を築くことが重要と指摘しています。そして、その延長線上として、社会的養護における議論とあわせて、入所の決定権限を市町村付与することで入所前から退所後まで市町村が一貫して支援を行う体制とすることも検討すべきと提言しています。

最後に今後の展開ですが、児支援のあり方を変えるために児童福祉法の改正などが必要となる可能性があるため、これを国に求めています。あわせて、次期の第2期障害児福祉計画へ反映させる内容や、障害福祉サービス等の報酬改定により対応すべきものについては、必要な財源を考慮しつ実現を図ることを指摘しています。
この報告書は、年度内に最終版が取りまとめられることとなっていますので、今後も動きにも(特に中間報告から変わった部分を中心に)注視する必要があるでしょう。

これで、障害児入所施設の在り方に関する検討会・中間報告のまとめはこれで終わります。
そして、ちょうどのタイミングで2019年も大晦日となりました。拙ブログをご愛顧くださいまして、ありがとうございました。来年もこれくらいのペースで更新して参りますので、引き続きよろしくお願い申し上げます。

では、皆さまよいお年をお迎えください。

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