「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」最終とりまとめの振り返り(その2)
牡蠣の抱き枕。又村です。
いや、確かに牡蠣は美味しいですし、どちらかいうと好きな食べ物ですが・・でも、抱き枕とかクッションとかは要らないなあ。商品写真を見る限り、殻をむいた状態だし。
・・という、需要が見出せないネタはさておき、 前回から、「地域共生社会に向けた包括的支援と多様な参加・協働の推進に関する検討会」の最終とりまとめを見ています。
【取りまとめはこちらから】
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000213332_00020.html
【これまでの議論経過はこちらから】
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_04612.html
地域共生社会の実現に向けて、市町村に期待される役割とは何でしょうか。
その前提として、今後の福祉政策のアプローチに関して、報告書では次のように示しています。
〇 個人や世帯を取り巻く環境の変化によって生きづらさリスクが多様化・複雑化していること踏まえる
〇 一人ひとりの生が尊重され、複雑かつ多様な問題を抱えながらも、社会との多様な関わりを基礎して自律的な生を継続いくことを支援する
○ 専門職による対人支援は、「具体的な課題解決を目指すアプローチ」と「つながり続けることを目指すアプローチ(伴走型支援)」の2つを両輪として組み合わせる
〇 このうち、伴走型支援を実践する上では、専門職による伴走型支援と地域の居場所などにおける地域住民同士の支え合いや緩かな見守りという双方の視点を重視することでセーフティネットが重層的なものとなる
その上で、報告書では市町村の役割として大きく「断らない相談」「参加支援」「地域づくりに向けた支援」の3点を挙げています。
まず、断らない相談ですが、これは相談者(世帯)の属性や困りごとの内容に関わらず「まずは受け止める」相談体制を指します。その上で、相談対応した人(部署)が自ら課題解決に向けて対応するか、適切な支援を提供できる関係機関へつなぐ役割が示されています。
その他、複数の課題を有する人の場合には支援に関係する人や組織を全体として調整する機能や、継続的につながり続ける支援を中心的に担う機能などが示されました。
次の参加支援ですが、こちらは従来の福祉制度(福祉サービス)では対応が難しい人(たとえば公的福祉サービスに当てはまらない人や、制度的には当てはまるもののイヤな思いをするなどサービス利用にネガティブな人)を対象として、本人・世帯の状態に合わせ、地域資源を活かしながら就労支援、居住支援などを提供することで社会とのつながりを回復する取組み、「狭間」とされる状態の人にも対応できるような既存地域資源の活用(たとえば、生活困窮者の就労体験を経済困窮ではない引きこもり者を受け入れる、障害福祉サービスの就労支援事業を生活困窮の人にも開放する)といった取組みが例示されています。
最後の地域づくりに向けた支援ですが、これは地域社会からの孤立を防ぐとともに、地域における多世代の交流や多様な活躍機会と役割を生み出す取組みとされています。報告書の中では、
①住民同士が出会い参加することのできる場や居場所の確保支援
②ケアし支え合う関係性を広げ、交流・参加・学びの機会を生み出すコーディネート能能
が例示されています。
以上で市町村に求められる役割などは終わります。
次回は最終回として、この報告に基づいてどのような取組みが期待されるのか、報告書の課題も含めてまとめたいと思います。