轟課長
英社員

英太郎のひとりごと episode 2

前回は、episode1の沖田さんの「ところかまわず大声で挨拶」するようになったきっかけと、私が解説を書くきっかけとなったのは「ほめ言葉」ではないかと書きました。
私の子供の頃を振り返ると「ほめられる機会」は非常に少なかったと思います。アスペルガーの私は他の子どもと同じことが出来ません。筋が通っていないと自分が感じたことには頑として従わず、全く無視して自分のルールで動きます。親や先生方も手を焼いきますから叱責や叱咤は雨あられと降り注ぎます。
そんな叱られるばかりの子供時代の記憶の中に、たまたまアスペルガーの特性と親や先生方から求められる行動が一致した時のほめられた体験がいくつかあります。
具体的に言うと作文はいつもほめられました。
数少ないほめられた体験、言い換えれば成功体験ですから、その時の周りの情景や気温まで強烈に記憶に残っています。どうもこのあたりの成功体験をうまく轟さんにくすぐられ、解説を書くに至った気がしてなりません。

では、知的障がいがあり自閉の強い沖田さんの子供時代の「ほめられる機会」はどうだったか考えてみましょう。知的障がいがあるということは、物事を理解して自分の物として行動できるようになるまで時間がかかるということです。
加えて自分の考えを言葉にすることも苦手です。そのような子供は、親や先生方から日々のいろいろなことについて「なぜできない、やらない」と、同じ年ごろの子供と比べて何倍もの叱咤や叱責が雨あられと降り注ぐでしょう。
沖田さんは自閉傾向も強いですから、私の子供の頃と同じように自分のルールで動いてしまいますし、知的障がいがあるので自分の気持ちを伝えることも苦手ですから、なおさら叱られる機会が多くなるでしょう。
そんな中で大きな声で元気に挨拶することが、沖田さんの大きな成功体験のひとつとなったのではないかと思います。

元気に大きな声で挨拶すればほめられる、この成功体験が彼を突き動かしているんだと思います。自閉が強いですからその場の雰囲気なんかに頓着しません。
挨拶するというマイルールに従って行動しているだけです。
沖田さん以外にも大きな声で挨拶する知的障がいのある社員はたくさんいます。みんな同じ理由で元気に挨拶するのだと思います。

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