轟課長
英社員

英太郎のひとりごと episode5

こんにちは、英太郎です。episode4では私の「空想的な精神生活」の心柱の一つとして斯くあるべき論があり、斯くあるべきは信念や定理と置き換えたら、より分かりやすいかもしれないと書きました。

アスペルガーの相反する評価

私は、数年前に自信の障がいが発達障がいの自閉症スペクトラムのうち、かなり重度のアスペルガー障がいであり、かつADHDの傾向があると診断を受けました。その後、自分の障がいはどんなもなのかを理解しようと濫読しました。それら手当たり次第読んだ本の一冊に書いてあった考えが、信念や定理の考え方です。

その本とは、精神科医であり「明神下診療所」所長の米田衆介先生が著した「アスペルガーの人はなぜ生きづらいのか」です。

 余談ですが、同著はアスペルガー障がいの本質を濃淡つけず有り体に記してあり、私自身読了後に「こりゃあ救いようがない」と暫く落ち込んだ記憶があります。

 同著の第四章、適応を難しくする信念の項に「とりわけ価値に関する信念は、青年期までに固定化しやすく、急速に変化させることは困難です。このため、社会への適応を難しくしかねない信念を変化させられないことが、不適応を引き起こす原因となることがあります。(引用終了)」とあります。

 ネットの世界ではアスペルガー障がいは、“人の気持ちが分からない”“空気が読めない””言葉を額面通りに受け取る“”思い通りにならないと逆ギレする“などと、あまり良い言い方はされていません。

episode4で引用した2018年の信州医誌Vol.66の巻頭言で本田秀夫教授は「本来の自閉症スペクトラムの人たちは、どちらかと言うと裏表のないサバサバした性格である。いわゆる「忖度」とは無縁で、専門家の間では「本当は自開症と言うべきではないか」と話すほどである。(引用終了)」と述べています。

一方のネットの世界の悪評と、もう一方の専門家の自開症と呼ぶべきとの意見の相違は、一つの物をそれぞれ違う側面から見ていることから起きていると思います。

自己中心の空想的な精神生活の優越がもたらす不適合

 私はepisode4で、私を含む自閉症スペクトラムのアスペルガー障がいの人が、斯くあるべき、または信念に基づき行動するときは、周りの人の反応や思惑なんて誤差の範囲だと書きました。言い換えれば、周りへの気配りも遠慮会釈も一切ない、本田先生たち専門家の言う忖度とは無縁の言動です。

忖度とは無縁の言動を反対側(アスペルガー障害の人を取り巻く人たち)から見たら、マンガepisode4の4ページで一丸さんが言うようにー私は忖度とは無縁の行動をとる側なので断定はしたくありませんのでーそれは傍若無人でおかしな人と思われるでしょうね。ここまで考えると、前回「自己中心の空想的な精神生活」の自己中心に切歯扼腕の思いがあると書いたことを訂正せねばならないでしょう。

 私を含む自閉症スペクトラムのアスペルガー障がいの人の行動は、やっている方は正しいと思っていても、その正しさがその場にそぐわなかったり空気をぶち壊したりで、周りの人から見たらどこが正しいのか理解不能なとんでもない行動であることが分かります。米田先生のおっしゃる社会への不適合です。

ネットの世界の悪評紛々の評価は周りの人から、良い評価と思える自開症はアスペルガーの本質を知る医療関係者からの評価と考えれば、それぞれの評価が極端に分かれる理由もおのずと明らかです。

このように考えると、当事者としては甚だ不愉快ですが、「自己中心の空想的な精神生活の優越」は、文句の付けようのない自閉症の説明と思います。

新見さんも斯くあるべしで動いている

 それでは自己中心の空想的な精神生活の視点からepisode5の新見さんの行動を見てみましょう。

 新見さんも自閉の傾向があります。ということは、自己中心の空想的な精神生活の斯くあるべき(信念)で行動してしまいます。新見さんの頭の中にはクリーナー作業は手順も範囲も斯くあるべきと固まっていますから、作業がジャマされることは我慢できません。それなのに卓の配置が変わってしまい、それによりクリーナーのヘッドが外れて作業が出来なくなりました。新見さんにとっては、斯くあるべきに大きなジャマが入って作業が出来なくなりました。

 ジャマが入った➡斯くあるべき(信念)通りできない➡こんなの我慢できない、これが大声で泣きだした原因です。大声で泣くことにより自分の不満を訴えています。

では、泣いて不満を訴えることが出来ない、私のような知的障がいのない自閉症スペクトラムの人はどうでしょう。言葉や態度で不満を訴えるしかありません。

しかし不満の原因は自己中心の空想的な精神生活に帰していますから、周りの人がそれを受け入れていれる保証は全くありません。あるいは周りの人から「何を勝手なことを」と攻撃されるかもしれません。こんなことが繰り返されれば、知的障がいのない自閉症スペクトラムの人は精神的に参ってしまいます。

私は、精神的に参ってしまうことが、もう一つの社会への不適応と考えます。

 紙幅がないので、このあたりの詳しい説明は別の機会に譲ります。

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