文化芸術施設や映画館などにおける鑑賞支援障がいのある人が受けることができる「文化芸術施設や映画館などにおける鑑賞支援」とは
動画でわかる「文化芸術施設や映画館などにおける鑑賞支援」の概要
はじめに
美術館などの芸術施設や博物館、映画館といった文化芸術施設へ出かける時、必要な設備が整っているのか、障がいがある人向けのサポートはあるのかなど、さまざまな心配があると思います。美術館などのアート関連施設では、障がい者手帳の提示で入館料金が割り引かれるほか、障がいの特性に合わせた利用しやすい環境整備を進めるなど、さまざまな取組みが行われています。また、映画館においても障がいのある人向けに割引やサポートを提供する事例が増えてきました。
美術館などの文化芸術施設や映画館などにおける鑑賞支援の内容や利用できる期間と年齢、利用までの流れなどについて詳しく説明します。
文化芸術施設・映画館などにおける鑑賞支援とは
日常生活を楽しむために欠かせないのが、美術館や博物館、映画館といった文化芸術施設です。2018年に障がい者文化芸術推進法が施行されたこともあり、障がいのある人が文化芸術施設で鑑賞しやすいように、施設の環境を整備したり、サポートする人材を配置したりするなどの取組みが行われています。
文化芸術施設によって鑑賞支援の内容は異なりますが、美術館でアーティストが障がいのある人を対象にワークショップを行う事例などもあります。また、文化庁では映画作品のバリアフリー字幕や、音声ガイド制作の支援などに取り組んでいます。
鑑賞支援の一例
- 施設のバリアフリー化
車椅子を利用する人同士が無理なくすれ違うことができる廊下や通路の設置、各階に障がい者トイレを設置、段差のない廊下、移動しやすいスロープの設置などを行うまた、イラストなどを活用して分かりやすい館内表示とする。
- 施設の受付に必要な人材を設置
手話で会話したり、筆談器を使って対応したりするなど、障がい者の鑑賞支援を行うスタッフを配置。また、サポートが必要な人には車椅子を貸し出したり、付き添って鑑賞する援助等を行う。
- バリアフリー字幕(※一部の劇場にのみ設置)
耳が聞こえなかったり、聞こえづらい人でも映画を楽しめるように、映像のセリフや話をしている人の名前などを文字表記するなど、音の情報を文字で表記する字幕を付ける。 - バリアフリー音声ガイド(※一部の劇場にのみ設置)
視覚障がい者でも映画を楽しめるように、作品の情報を言葉で説明する音声ガイドの導入(ストーリーの内容や登場人物の動き・表情などを、可能な限り音声で伝える機器)
- 美術館などの文化芸術施設や映画館などの受付で障がい者手帳を表示すると、観覧料が無料もしくは割引料金になることがあります。その場合、介護者などの付き添いも割引の対象となります。
誰が利用できるのか
文化芸術施設や映画館などで鑑賞支援を受けることができるのは、原則として障がい者手帳を持っている人となります。観覧料などの有料チケットは、障がい者手帳を提示することで割引となるため、手帳が必須となります。支援が必要な人や割引を希望する人は、事前に施設へ相談してみましょう。
利用できる期間・年齢
文化芸術施設や映画館などにおける鑑賞支援の利用期間や年齢に制限はありません。ただし、施設の営業時間や利用条件についてはあらかじめ確認するようにしましょう。
どうすれば利用できるのか
映画館や美術館、博物館などは、事前予約をしなくても利用することができます。しかし、出かける前に施設の設備や支援について確認することをおすすめします。
例えば、補助犬と一緒に利用したい場合は、美術館の展示室内に同伴することが可能かどうか、何時ごろに施設に行く予定かなどを伝えるとスムーズです。施設によっては、作品保護を理由に補助犬の同伴が難しいというケースがあるかもしれません。
また、音声ガイドの有無、車椅子の利用、障がい者優先駐車スペースの有無、エレベーターやスロープの設置、多目的トイレの有無、救護室の有無、筆談器の有無など、障がいの特性に応じた対応が可能かどうか確認することが大切です。人が多く訪れる映画館や美術施設では、専門スタッフによる対応が受けられないことも考えられます。疑問に思うことは施設の受付やインフォメーションに電話して、前もって確認するようにしましょう。
よくある疑問とその答え
- 文化芸術施設の鑑賞支援は、どこでも必ず受けられるのですか?
- お住まいの地域によっては、施設の整備体制が十分でない可能性があります。鑑賞する際にサポートが必要な場合は、事前に施設へ確認しましょう。
- 鑑賞支援を受けた場合、特別な費用が発生するのでしょうか?
- 音声ガイドの貸し出しが有料となる施設もありますが、多くの施設において、無料で支援サービスを受けることができます。