動画でわかる障がい者福祉制度・サービス

税金の軽減障がい者が受けられる税金の軽減について

動画でわかる「税金の軽減」の概要

はじめにはじめに

会社で働いている人は所得に応じて「所得税」や「住民税」を納めています。また、自動車を持っている人は「自動車税」を納めています。このように私達はさまざまな種類の税金を納めていますが、障がいのある人や障がいのある人を扶養している家族は、所得税・相続税・贈与税・自動車税などの税金の控除を受けることができます。

各種税金の軽減の概要、対象、利用できる期間、利用までの流れ、よくある疑問について説明します。

01各種税金の軽減とは

国民の義務として、決められた税金を納める「納税」があります。障がいのある人やその家族にも納税義務がありますが、障がいのある人や障がいのある人を扶養している家族の税金の負担を軽減するために、国は特例として障がい者控除や減税措置を設けています。障がいの状態によって減税額は異なりますが、税金を減免することにより、経済的負担が軽減されます。

税金の軽減制度の一例と控除額

  • 所得税の控除
    障がいのある人は障がい者控除として27万円、特別障がいのある人は40万円が所得金額から差し引かれます。
  • 相続税の控除
    障がい者手帳の交付を受けている人が相続や遺贈などで財産を取得した場合、85歳に達するまで1年につき10万円、重度の障がいのある人は1年につき20万円が、相続税額から差し引かれます。
  • 自動車税、軽自動車税、自動車取得税の減免
    障がい者1人につき車1台に限り、自動車税、軽自動車税、自動車取得税が減免されます。ただし、障がい者本人が施設等に入所中の場合や法人名義の車などは対象外となることがあります。減免額はお住まいの地域によって異なります。
  • 心身障がい者扶養共済制度に基づく給付金の非課税
    都道府県や市町村が窓口になって実施している「心身障がい者扶養共済制度」に基づく給付金については、所得税の対象外となります。
  • 贈与税の非課税
    一定の信託契約に基づいて障がい者本人へ財産の信託があったときは、重度障がいであれば6,000万円まで、重度障がいでなければ3,000万円まで贈与税がかかりません。信託契約とは、所有する財産の権利を他の方に移転し、その財産の管理または処分をさせる契約のことです。
  • 少額貯蓄の利子等の非課税(障がい者等のマル優)
    障がい者手帳等の交付を受けている人は、手続きを取ることにより合計額350万円までの預貯金等の利子が非課税となります。これは、障がい者等のマル優と呼ばれます。ほかにも、国債及び地方債の額面の合計額が350万までの利子が非課税となる、特別マル優もあります。これは預貯金等にかかる、障がい者等のマル優とは別枠で適用が受けられます。

(国税庁の資料を元に作成)

上記の他にも、障がいのある人を扶養している人や障がいのある人を雇用している事業者が受けることができる税制上の優遇措置があります。ただし、それぞれの軽減条件を満たしている必要があります。

関連項目(外部サイト)

02税金の軽減を受けることができる対象者

税金の軽減を受けることができるのは、障がいのある人と障がいのある人を扶養している家族です。申請時には障がい者手帳の提出が求められることがあります。

例:所得税や住民税において障がい者控除の対象となる人

次のいずれかに該当する人

  • 1. 精神上の障がいがあり、自分で判断することが難しい人
  • 2. 児童相談所、知的障がい者更生相談所、精神保健福祉センター、精神保健指定医の判定により、知的障がいがあると判定された人
  • 3. 精神障がい者保健福祉手帳を持っている人
  • 4. 身体障がい者手帳を持っている人
  • 5. 身体又は精神に障がいのある年齢が満65歳以上の人で、障がいの程度が1、2又は4と同等の認定を受けている人
  • 6. 戦傷病者手帳を持っている人
  • 7. 原子爆弾被爆者として認定を受けている人
  • 8. 申請する年の12月31日の時点で、6ヶ月以上にわたって身体の障がいにより寝たきりの状態にあり、複雑な介護を必要とする人

03税金の軽減を受けることができる期間・年齢

税金の軽減を受けることができる期間や年齢に制限はありません。ただし、確定申告の期限を過ぎてしまったり、減税措置の条件変更などで対象外となったりした場合などは減税されません。制度の見直しで減税措置の内容が変わることもあるので、納税申告の際に確認するようにしましょう。

03どうすれば税金が軽減されるのか

基本的に申告手続きをしなければ税金の軽減措置を受けることができません。税金の軽減を受けるためには、税務署や市町村の税金担当部署で手続きを行う必要があります。サラリーマンの場合は年末調整時に税控除の申告書に必要事項を記入し、勤務先で手続きを行うことが可能です。

自営業など、自分で確定申告を行う場合は、確定申告書の「障がい者控除項目」に記入し、税務署に必要書類を提出します。提出時に障がい者手帳等のコピーを求められる場合があります。提出書類の種類は窓口などで確認するようにしましょう。

よくある疑問とその答えよくある疑問とその答え

  • question
  • 税金の軽減は一度手続きすれば、ずっと適用されるのですか?
  • question
  • 税金の減免を受ける場合は、その度、手続きが必要です。特に所得税や住民税は、必ず毎年手続きする必要があります。
  • question
  • 障がい者手帳を持っていないと、税金の控除はされないのですか?
  • question
  • 市町村が発行する「障がい者控除対象者認定書」を持っている人も、税金の軽減を受けることができます。これは、要介護状態などで日常生活に支障があるものの、身体障がい者手帳を持っていない人などを対象としたもので、お住まいの市町村の介護保険担当部署などで手続きすることができます。