動画でわかる障がい者福祉制度・サービス

児童発達支援未就学の児童を中心に発達支援(療育)を行う福祉サービス「児童発達支援」とは

動画でわかる「児童発達支援」の概要

はじめにはじめに

主に未就学の障がいのある児童や発達状況が気になる児童を対象に、発達支援(療育)や家族への支援を行う「児童発達支援」という福祉サービスがあります。日常生活に必要な基本的動作の習得や、学習、運動、人間関係の構築に関する支援、集団生活への適応支援などがサービスの主な内容です。

児童発達支援の概要、対象、利用できる期間、利用までの流れ、よくある疑問について詳しく紹介します。

01児童発達支援とは

障がいや発達上の課題があるため、身支度などの基本的な生活動作、学習や運動、人間関係の構築に関して、支援を必要としている児童を対象に、自立した生活を送れるように支援することを「発達支援」もしくは「療育」と呼びます。児童発達支援は、小学校に入学する前の主に未就学(5歳まで)の児童やその家族を中心として、発達支援(療育)を行う福祉サービスです。

児童発達支援は児童福祉法に基づき、障がいのある児童の自立に関するサポートや、社会参加に必要なスキルの習得、発達支援を必要とする児童がいる家族への支援を行います。障がいの状態や発達の程度に応じた適切な支援を受けることができ、社会性やコミュニケーション能力の習得はもちろん、子ども自身の自己肯定感を高めることも目的の一つとなります。

児童発達支援における主な支援内容

  • 日常生活に必要な基本生活の動作やスキルを習得するための支援
    (例:身支度、運動、認知機能の発達の支援、言語の習得やコミュニケーションスキルを向上するための支援、自己の理解を深めるための支援 など)
  • 集団生活への適応支援
    (例:集団に参加するためのルールや手順の理解、遊びや集団活動に参加するための支援など)
  • 幼稚園や保育所等への入園サポート、並行通園
    (例:保育所等に通うために必要なサポート、並行して利用する保育所等に専門員が訪問して集団生活に適応するための支援を行うなど。)

(児童発達支援ガイドラインを元に作成)

  • 児童発達支援には、大きく2つの種類があります。児童発達支援センターや児童発達支援事業所等に通って支援を受ける「児童発達支援」、医療的ケアが必要であるなどの理由により外出が難しい児童向けの「居宅訪問型児童発達支援」の2つです。お住まいの地域の障がい福祉・児童福祉窓口で、どの支援を受けるか専門家と相談しながら決めていくようにしましょう。

02誰が支援を受けられるのか

児童発達支援の主な対象者は、障がい者手帳を持っている未就学児や、児童相談所や保健センター、医師などにより、発達支援(療育)が必要と判断された未就学児とその家族です。障がい者手帳などがなくても、自治体が必要と判断した場合はサービスを利用できます。

小学校入学後は原則として、放課後等デイサービスなどを利用することになりますが、高校に進学しなかった15〜17歳までの子どもは、児童発達支援を利用できるケースがあります。

03支援を受けられる期間・年齢

児童発達支援を利用できる年齢は、原則として0~5歳児までです。ただし、例外的に高校に進学しなかった15〜17歳までの子どもが利用するケースもあります。利用可能な年齢は自治体や事業所等によって異なりますので、対象年齢や期間について事前に確認するようにしましょう。

03どうすれば支援を受けられるのか

児童発達支援を利用するためには、お住まいの地域の障がい福祉・児童福祉窓口で利用申請を行います。申請手続きから利用までの主な流れは、以下となります。

1.申請手続き

お住まいの地域の障がい福祉・児童福祉窓口で必要書類を確認し、申請手続きを行う。

主な必要書類
・発達支援が必要と確認できる書類(障がい者手帳や発達検査の結果など)
・マイナンバーの通知書
・世帯主の身元が確認できる書類 など

障がい児支援の窓口は、市町村によって「障がい福祉」と「児童福祉」に分かれているので、事前にどの窓口で申請ができるか確認するようにしましょう。

2.障がい児支援計画案の提出依頼・提出

児童発達支援の申請には、障がい児支援計画案が必要となります。原則として相談支援事業所に作成を依頼しますが、保護者が希望する場合は自分で作成すること(セルフプラン)も可能です。計画案ができたら、市町村の窓口に提出しましょう。

3.支給決定・サービス利用

市町村が提出書類をもとに、サービスの対象となるかどうか判断します。対象と認められれば、児童発達支援を利用できる月当たりの日数が記載された「通所受給者証」が発行されます。(※決定から送付まで最短で2週間程度)。通所受給者証が届いたら児童発達支援事業所と契約し、サービスを利用することができます。

利用者の費用負担について

  • 児童発達支援を利用する場合の利用者の費用負担は「1割」です。ただし、未就学児で満3歳以降の3年間は利用者負担が無料となっています。
  • 高校に進学しなかった15〜17歳までの子どもについては、世帯年収が900万円程度までであれば、月額負担上限が4,600円となります。利用者負担は月締めで、事業所へ支払います。

よくある疑問とその答えよくある疑問とその答え

  • question
  • 児童発達支援を受けるのは有料ですか?
  • question
  • 就学前の未就学児童(満3歳以降の3年間)は、費用が無償化されています。ただし、利用料以外の経費や食費等は実費での負担となります。また、児童の年齢や世帯主の年収などの条件によっては、利用者負担が発生するケースがあります。
  • question
  • 障がい者手帳があれば、すぐにサービスを受けられますか?
  • question
  • 児童発達支援事業所や児童発達支援センターのサービスを利用する際は、必ず自治体から発行される受給者証「通所受給者証」が必要になります。障がい者手帳の提示でだけではサービスを受けられませんので、障がい福祉・児童福祉窓口で利用申請の手続きを行いましょう。