就学支援委員会障がいのある子どもと保護者に対して就学相談などの支援を行う就学支援委員会とは
動画でわかる「就学支援委員会」の概要
はじめに
障がいのある子どもの保護者を対象として、幼稚園や保育所、児童発達支援などから小学校、特別支援学校小学部への進学相談や、入学後の学習支援に関する相談へ応じ、ともに解決策を考えるのが、各市町村に設置されている就学支援委員会です。
この記事では、就学支援委員会の概要、対象、利用できる期間、利用までの流れ、よくある疑問について紹介します。
就学支援委員会とは
就学支援委員会とは、障がいのある子どもを対象に、就学に関する相談を受け、専門家の意見をもとに適切な就学支援を行う機関のことです。その子どもが持っている力を伸ばし、将来的な自立と社会参加を目指して、委員会が専門的な立場から適切な就学相談に応じています。
全国の市町村教育委員会に設置されており、乳幼児期を含めて早期から相談することができます。
就学支援委員会は、医師や教育機関の職員、関係行政機関の職員などで構成されています。障がいのある子どもや保護者の希望を聞きながら、委員会の意見として就学先を提案します。
就学先について子どもや保護者と専門家の意見が一致しなかった場合は、第三者の有識者にも助言をもらうことが可能です。委員会の意見が絶対というわけではなく、意見を参考に就学予定先へ見学・相談をし、保護者と子どもが最終的に就学先を決めていきます。
誰が利用できるのか
就学支援相談ができるのは、障がいのある子どもとその保護者です。小・中学校に就学予定である場合はもちろん、すでに学校に在籍中で学校生活や教育に関する悩みを持っている場合などにも利用できます。
市町村によって設定されている対象者が多少異なりますので、お住まいの地域の担当窓口で確認するようにしましょう。
利用できる期間・年齢
就学支援相談を利用するのは、未就学の子どもが小学校入学準備をはじめる、5歳くらいのタイミングが中心となります。5~6月頃から就学相談の受付がスタートし、年内もしくは年明けに就学先が決定という流れが一般的です。
中学校へ進学するのであれば、小学校6年生になったときに相談するのが好ましいですが、在学中であればいつでも悩みを相談することが可能です。
在学中の転学・転籍相談については、次のようなパターンが考えられます。
(1)特別支援学校から小・中学校への転校
(2)小・中学校から特別支援学校への転校
(3)小学校間の転校
(4)中学校間の転校
いずれの場合も、入学前の就学相談と同様に障がいのある子どもとその保護者の意見を聞きながら、必要に応じて学校の見学や体験入学などを行い、転校先を決定します。
どうすれば利用できるのか
就学支援委員会に相談する主な流れは、以下のとおりです。
1.相談・申し込みをする
保護者が受付期間内に相談窓口に申し込みを行います。お住まいの地域の教育委員会によっては、就学相談説明会等に参加した後で申込みを行うケースなどもあります。
2.就学相談説明会などへの参加
特別支援学校などの就学先に関する案内、学校見学、就学相談の進め方等を確認します。説明会参加時に就学相談の受付を行うケースもあります。
3.就学面談・就学相談会
子どもの様子を見ながら発達検査を行います。また、集団行動や運動面に問題がないかの観察、保護者面談、特別支援学校の校長との面談などが行われるケースもあります。
4.就学支援委員会から進学先等の結果が通知される
就学支援委員会から就学先や進学先についての結果を保護者に通知します。保護者や子どもと意見が一致しない場合はさらに相談を進めて話し合いを重ね、就学先を決めます。就学先について意見が一致した場合は教育委員会から決定通知書などが送付されます。
市町村によって、就学支援の利用方法や流れは異なります。予約制による相談がほとんどで、医師による診断書や療育の記録といった資料の提出が求められることもあります。
よくある疑問とその答え
- 就学相談をする際に必要なものはありますか?
- 就学相談票や、子どもの様子や状態が分かるもの(心理検査結果、療育の記録など)があるとスムーズです。また、事前にホームページ等からダウンロードした「就学相談票」に必要事項を記載し、提出する市町村などもあります。
- 就学後に学校を変えることはできますか?
- 在籍している学校の担任と保護者が相談し、転校が必要と判断されれば可能です。その際は、再度就学支援委員会(転学相談)の手続きを進める必要があります。転校の時期は基本的に年度が切り替わるタイミングのため、二学期末までに相談を始めるとスムーズに進められます。