放課後等デイサービス放課後や休日などに、障がいのある児童生徒の発達支援と活動場所を提供する「放課後等デイサービス」とは
動画でわかる「放課後等デイサービス」の概要
はじめに
「放課後等デイサービス」は、小・中学校、高校に通う障がいのある児童生徒が、放課後や休日などに利用できる通所サービスです。それぞれの障がいの特性に応じた発達支援や創作活動を行ったり、地域交流活動に参加したりします。また、保護者・家族への支援も行っています。
そんな放課後の居場所づくりとしての役割も担っている「放課後等デイサービス」の概要、対象、利用できる期間、利用までの流れ、よくある疑問について紹介します。
放課後等デイサービスとは
放課後等デイサービスは、児童福祉法に基づいた福祉サービスです。就学中の障がいのある子どもに対して、放課後や休日などの時間で自立支援や地域との交流機会などを提供しています。
子どもの発達状態や障がいの特性などを理解している支援員が発達支援を行い、他者との信頼関係の形成や、コミュニケーションを取ることの楽しさを感じられるようサポートします。
サービスの主な内容
厚生労働省の「放課後等デイサービスガイドライン(2024年7月)」によると、放課後等デイサービスには以下の4つの基本的役割が示されています。
- 1.障がいの状態や発達の状況、障がいの特性等に応じた発達支援(本人支援)
- 2.子どもの発達の基盤となる家族への支援(家族支援)
- 3.社会活動への参加・交流を行うことができるための支援(移行支援)
- 4.子どもや家庭に関わる関係機関と連携し、子どもや家族を包括的に支援(地域支援・地域連携)
放課後等デイサービスでは、学校や家庭とは異なる時間、空間を提供します。そこで出会う人達との生活体験などを通じて、子どもの発達支援と最善の利益の保障を図ることが目的です。
利用している子どもが地域社会へ参加できるよう、集団生活の中での学びや成長を促すこともこのサービスの狙いのひとつです。地域の状況に応じて放課後児童クラブとの連携を行うなど、障がいのある児童をサポートする専門機関としての役割を担っています。
事業所によって提供されるサービスは異なりますが、音楽、美術、スポーツ、勉強など、学校だけでは十分に実施できないプログラムを提供する事業所もあります。また、子どもの発達状況に応じて、個別の療育や集団療育を行う事業所もあります。
放課後等デイサービスでは保護者や家族に対する支援も行っており、子育ての相談へ対応するほか、放課後の居場所となることで子どものケアを一時的に代行し、保護者の時間を確保する助けとなります。
(厚生労働省のガイドラインを基に作成)
2024年に障がい福祉サービスの制度改定が実施
2024年4月に、児童福祉法が改正されるとともに、児童発達支援および放課後等デイサービスの報酬改定が施行されました。
児童福祉法の改正により、地域全体で児童発達支援センターを中核として、障がいの特性や状態に関わらず身近な地域で質の高い発達支援が受けられる体制づくりや、家族支援の強化などがより一層求められることになりました。
また、報酬改定では児童発達支援と放課後等デイサービスの事業者に対して「健康・生活」「運動・感覚」「認知・行動」「言語・コミュニケーション」「人間関係・社会性」の5領域を明確にした支援プログラムの作成・公表を求めたほか、重い障がいのある児童への充実した支援、保護者や兄弟などの家族に対する相談援助の強化などが位置づけられました。
放課後等デイサービスでは、さらに高校2年生・3年生を対象として卒業後の進路に向けた支援や、不登校児童への相談援助、相談支援事業所が関わらないまま複数事業所を利用している場合の事業所間連携強化なども新たに追加されました。
誰が利用できるのか
放課後等デイサービスは、小学生から高校生までの障がいのある児童生徒が利用できます。ただし、特別な事情で引き続き学校に在籍しており、放課後等デイサービスを受けなければ本人の福祉を損なう可能性がある場合などは、19歳まで利用が認められるケースもあります。
利用できる期間・年齢
小学校から高校生(6~18歳)、もしくは上記の特例に当たる19歳までの障がいのある児童生徒が対象です。利用期間については、対象年齢内であれば特に制限はありません。
0〜6歳までの未就学児、および高校に在籍していない18歳未満の子どもは放課後等デイサービスではなく、「児童発達支援」と呼ばれるサービスを利用します。児童発達支援は日常生活に必要な基本動作をはじめ、集団生活へ適応するための訓練などを継続的に支援するサービスです。
月ごとに利用回数の上限がある
放課後等デイサービスの利用には、市町村の支給決定に基づいて月ごとの利用回数が定められています。ただし、利用者全員に画一的な利用回数が定められているわけではなく、子どもの状況によって変わります。
市町村が本人の状況、家族や保護者の状況、家庭環境、サービスの利用意向などを聞き取りしたうえで、支給決定されます。また、子どもの状況や希望にあわせて、複数の事業所を組み合わせて利用することも可能です。
どうすれば利用できるのか
放課後等デイサービスを利用するには、お住まいの市町村の障がい福祉(児童福祉)窓口で支給決定を受け、受給者証を発行してもらう必要があります。受給者証とは、障がい福祉サービスを利用するために必要な証書のことです。障がいのある子どもであれば、市町村が必要と認めた場合、障がい者手帳などを持っていなくても受給者証を発行してもらうことが可能です。
手続きのおおまかな流れは、以下のようになります。
1.必要書類を揃えて窓口で申請手続きを行う
2.市町村職員によるヒアリングを経て、サービスが必要だと認められれば受給証が発行される
3.受給証取得後に、利用を希望する事業所と契約する
放課後等デイサービスを行う事業所は、多くの地域で複数の事業者があります。見学したり、事前に相談したりしておくとスムーズです。
よくある疑問とその答え

- 中学卒業後、高校には進学しませんでした。放課後等デイサービスは使えますか?

- 放課後等デイサービスは、あくまで「学校」に在籍している障がいのある児童を対象としたサービスで、高校に進学しなかった場合は利用できません。その場合は生活介護などの成人向けのサービスを使うか、17歳までであれば特例的に児童発達支援を利用することも可能です。

- 放課後等デイサービスの利用を断られることはありますか?

- 障がい福祉サービスの事業者には、応諾義務という正当な理由がない限りは利用者を受け入れる義務があります。ただし、医療的ケアが必要な子どもの場合は、専門スタッフの有無によって利用を断られるケースがあります。その他にも、生命や安全にかかわる行動(他人や自分を傷つける、物を破壊するなど)をとる可能性がある場合は、利用を断られることがあります。事業所ごとの職員配置や活動内容を確認するためにも、事前に見学や相談をしておくことが大切です。

