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特別支援学級障がいのある児童生徒の学びの場として、地域の学校に設置される少人数クラス「特別支援学級」とは

動画でわかる「特別支援学級」の概要

はじめにはじめに

特別支援学級とは、地域の小・中学校、一部の高校に設置されている、障がいのある児童生徒を対象とした少人数学級のことです。それぞれの障がいの特性に配慮した教育を提供し、勉強だけでなく日常生活に必要な能力を身につけるための指導も行います。

特別支援学級の内容、対象、教育課程、利用までの流れ、よくある疑問について紹介します。

01特別支援学級とは

特別支援学級は、障がいのある児童生徒のために設置された、少人数制の学級です。一人ひとりが、障がいの特性や発達の状態に応じた教育が受けられるよう、安全面に配慮しながら教育を行います。

特別支援学級では設置された学校に準ずる教育を行うとともに、障がいによる学習上又は生活上の困難を支援し、自立を図るための指導を行います。また、通常の学級とは異なり、障がいの種別によって編成されるため、異なる学年の児童生徒が同じクラスに在籍します。特別支援学級は地域の学校内に設置されているので、通常学級の児童生徒と交流したり、共同学習を実施したりするケースなどもあります。

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02特別支援学級に入ることができる人

特別支援学級は、以下のいずれかに該当する児童生徒が対象です。特別支援学級の入級判断基準は、文部科学省の「障がいのある児童生徒等に対する早期からの一貫した支援について(通知)」によって定められています。

  • 知的障がい
    (知的に発達の遅れがあり、意思疎通が苦手で日常生活や社会生活に適応するために一部介助が必要な児童生徒)
  • 肢体不自由
    (補装具による歩行など、日常生活の基本的動作の一部に困りごとがある児童生徒)
  • 病弱及び身体虚弱
    (慢性の呼吸器疾患や身体虚弱の状態があり、医療や生活の管理を必要としている児童生徒)
  • 弱視
    (拡大鏡などを使用しても文字や図形を視覚的に認識するのが困難な児童生徒)
  • 難聴
    (補聴器を使用しても通常の話し声を理解することが困難な児童生徒)
  • 言語障がい
    (発音が不明瞭であったり、話し言葉のリズムがスムーズにいかなかったりなど、言語機能の遅れが認められる児童生徒)
  • 自閉症
    (自閉症など、他人との意思疎通に困りごとがある児童生徒)
  • 情緒障がい
    (心理的要因で特定の場面で話すことができず、社会生活への適応が困難な児童生徒)

特別支援学級は障がい種別に応じて学級が編成されますが、学校によっては「自閉症・情緒障がい特別支援学級」として一つの学級を編成することもあります。

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03特別支援学級の教育課程

通常の学級では学習指導要領を基準に各教育課程が作られます。しかし、特別支援学級では小・中学校等の教育課程を基本としながら、障がいのある児童生徒が学びやすいように特別に教育課程を編成して授業を行います。

特別支援学級(小学校)の教育課程の例

  • 一般教科…国語・算数・音楽・図工・体育・生活・道徳 など
  • その他…特別活動・自立活動・総合的な学習の時間 など

自立活動については、たとえば視覚障がいがある場合は視覚に頼らずに歩行能力を向上させるための訓練や対象物の触り方に関する指導、聴覚障がいがある場合は補聴器をつけての発音や言語指導、手話などを使っての指導などがあります。知的障がいがある場合は具体物と絵カードのマッチングやごっこ遊び、ボールを使っての運動などを取り入れた指導をしています。

特別支援学級は、児童生徒の障がいの特性によって教育内容や学校での過ごし方が変わります。入級を希望する場合、事前に授業を見学できるケースもあるので、クラスの雰囲気やどんな授業を行っているのか確認するといいでしょう。

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03どうすれば利用できるのか

特別支援学級に入る基準や入学方法は、お住まいの地域や入学する学校によって異なります。まずは就学相談窓口(市町村の教育委員会)で入級の相談をし、手続きを行いましょう。入級までの一般的な流れとしては、以下のとおりです。

1.保護者が電話等で就学相談の申し込みをする(特別支援学級入学についての相談)
2.就学相談員との面談・諸検査等の実施
3.お住まいの地域の就学支援委員会が本人や家族の意向、専門家の意見、子どもの障がいの状態、医師の診断者、障がい者手帳の有無などを確認し、子どもの就学先を総合的に判断。保護者に就学先について提案
4.就学支援委員会から提案された意見をもとに、保護者および児童生徒が就学先を決定
5.提案された特別支援学級へ入級(意見が合致しなかった場合は再度相談・検討をし、決定)

全国の特別支援学級の設置率は年々増加傾向にありますが、すべての学校に設置されているわけではありません。お住まいの市町村の就学支援相談窓口(教育委員会)や入級を希望する学校に問い合わせをし、利用できるクラスがあるのか、利用方法や対象者の要件等について事前に確認するようにしましょう。

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よくある疑問とその答えよくある疑問とその答え

  • question
  • 特別支援学級に就学を考えていますが、自宅から学校までが遠いです。登下校には親の付添いは必須でしょうか?
  • question
  • 登下校の付き添いについては就学先に相談できますが、多くの地域で保護者による送迎が求められてしまう実態があります。本人の状況以外にも学校周辺の環境や駐車場が確保できるかなどの条件を総合的に検討する必要があるでしょう。市町村によっては、自力での登下校に向けて移動支援などのサービスが利用できるケースもあります。
  • question
  • 決定した就学先は卒業するまで変更はできませんか?
  • question
  • 決定した就学先は、必ずしも卒業まで固定というわけではありません。本人の成長や状況に応じて就学先を柔軟に変更できるよう、学校や教育委員会(就学支援委員会)と適宜話し合いを行いましょう。就学支援相談窓口では、就学先変更の一環として転学相談を受け付けています。