通信制高校・サポート校通信教育を中心に高校卒業資格を取得できる「通信制高校」と、通信制高校に通う生徒を支援する「サポート校」とは
動画でわかる「通信制高校・サポート校」の概要
はじめに
通信制高校は、レポートの作成や指定された日の通学などによる教育を通して、高校卒業資格を取得できる学校です。障がいなどの理由でコミュニケーションに不安がある人、毎日学校に通うことが難しい人でも、高校卒業資格の取得をめざすことができます。
通信制高校は基本的に自宅学習がメインとなるため、なかには自宅での学習だけで高校を卒業できるのか、不安に感じる人もいることでしょう。そんな生徒を支援してくれるのが「サポート校」です。サポート校に通うだけでは高校卒業となりませんが、通信制高校を卒業できるように、レポート作成の支援や通学へのモチベーション維持などを支援しています。通信制高校とサポート校は連携していることが多く、通信制高校と同時に入学して高校卒業資格をめざすことができます。
この記事では、通信制高校やサポート校の概要、入学できる人、利用できる期間、入学に必要なこと、よくある疑問について紹介します。
通信制高校・サポート校とは
通信制高校とは、通信教育を中心に学習する高校のことです。学校教育法によって「高等学校」と定められているため、全課程を修了すれば高校卒業の資格を取得し、大学への進学をめざすことができます。通信教育が中心となるため、障がいの特性やライフスタイルに応じて、自分のペースで勉強できる点も大きな特徴です。
通信制高校で高校卒業資格を取得するための条件は、「3年間以上在籍すること」、「74単位以上を取得すること」などがあります。単位を取得するためには郵送やパソコンによるレポート提出、年に数回のスクーリング(通学による面談など)、単位認定テストの受験などが必要です。スクーリングについては学校によって登校する頻度が異なり、月に数回から年に数回までとさまざまです。
サポート校とは?
サポート校とは、通信制高校を無事に卒業できるよう、勉強や精神面のサポートをする学校のことです。週3~5日の通学コースや、家にいながら指導を受けられる在宅コースなど、学校によってカリキュラムは異なります。通学の場合、授業は少人数制で生徒の状況に応じて選択できます。
サポート校は「高等学校」と定められていないため、サポート校だけに通っても高校卒業とはなりません。教育関連の民間企業や学校法人などが運営しており、専門的なコースを設けている、受験対策に力をいれているなど、サポート校によって特色が異なります。
通信制高校とサポート校は提携しているケースが多く、通信制高校を入学するタイミングで、その学校と連携しているサポート校に通うのが一般的です。
通信制高校とサポート校、それぞれにかかる学費
通信制高校には、公立と私立の学校があります。学費は、公立は年額数万円、私立は年額20~30万円が目安といわれており、私立の方が少し高くなります。ただし、通学日数や教育内容ごとに学費は異なりますので、複数の通信制高校を比較し、学校を決める際の参考にしてみましょう。
通信制高校の授業料については、国の「高等学校等就学支援金制度(いわゆる、高校無償化制度)」により、年収910万円未満の世帯であれば支援金を受けることができます。支給額は公立か私立か、定額授業料制か単位授業制かによっても変わります。入学時に学校から案内がありますので、その案内をもとに申請手続きを行いましょう。
サポート校の学費も学校ごとに金額が異なりますが、高校ではないため支援金制度の対象外となります。目安としては、年額30万円以上のケースが多いようです。
通信制高校とサポート校に入ることができる人
通信制高校に入学できるのは、中学校を卒業した人、もしくはそれと同等以上の学力があると認められた人です。中学校を卒業したばかりの人から20歳以上の社会人まで、幅広い年齢層の人が通信制高校に在籍しています。
サポート校は、「通信制高校を卒業して高校卒業資格を取得したい人」が対象となるため、これから通信制高校に進学予定の人が入学対象となります。学校によっては中学校に在籍し、高校進学のための基礎学力を身につけたい不登校の生徒を受け入れているケースもあります。
障がいのある人は、入学を希望している通信制高校やサポート校へ事前に相談して支援体制を確認しましょう。ただし、全く登校ができない場合は指定日の通学(スクーリング)が難しいため、通学できる学校が限られる可能性があります。
利用できる期間
通信制高校の修業年限は学校教育法により、「3年以上」と定められています。つまり、全日制の普通高校と同じく3年で学校を卒業することが可能です。ただし、自宅学習のため、卒業に必要な単位取得に3年以上かかることも珍しくありません。また、在籍できる年数は学校によって異なります。
サポート校は基本的に通信制高校に在籍している期間であれば利用できますが、入学する前から利用可能な学校もあります。
どうすれば入学できるのか
通信制高校の入学試験は書類選考や作文、面接が一般的です。学校ごとに入学時の条件は異なりますが、特に面接は重視されるため、志望動機や高校で学びたいことを整理し、面接の練習をしておくと安心でしょう。
入学に関する手続きの流れとしては、まず学校が定める受付期間内に窓口または郵送にて志願手続きを行います。主な提出書類は入学願書と申請書で、入学を希望する学校で受けとることができます。提出書類・作文・面接などの選考が行われ、合格者には合格通知書が送られます。
サポート校に入学する際に試験などはありませんが、事前の学校見学や説明会に参加して、自分に合った支援を得られるのか確認しましょう。
よくある疑問とその答え
- 他の高校に通学しているが、通信制高校に転校は可能ですか?
- 転校や編入も可能です。転校や編入を随時受付している学校も多いため、気になる学校があれば問い合わせをしてみましょう。
- サポート校や通信制高校に通いながら、大学への進学をめざすことはできますか?
- 通信制高校では標準履修科目の授業が基本ですが、学校によっては大学受験向けの講義を受講できるなど、大学への進学を重視したコースを設けている学校もあります。通信制高校卒業後に大学へ進学したい人は、受験に力を入れている学校を探してみましょう。