公営住宅の優先入居障がい者が公営住宅に入居するための「優先入居」の仕組みとは
動画でわかる「公営住宅の優先入居」の概要
はじめに
公営住宅とは、収入が少ないために住まいを見つけにくい人が、安い家賃で住むことができる公的な住宅です。障がいのある人が公営住宅に申し込んだ場合、優先的に入居ができる仕組みがあります。
「公営住宅の障がい者の優先入居」の内容、対象、利用できる期間と年齢、利用までの流れ、よくある疑問について詳しく説明します。
公営住宅への障がい者の優先入居とは
公営住宅とは
公営住宅とは、収入が少ないために住まいを見つけることが難しい人が、安い家賃で住むことができる住宅です。公営住宅法という法律に基づいて、国の補助を受けながら都道府県や市町村などが住宅の建設や管理、運営を行っています。
障がい者の優先入居とは
障がいのある人が公営住宅の入居を希望する場合、優先的に入居できる仕組みがあります。
優先入居とは
地方公共団体の裁量により、障がい者等、特に居住の安定の確保が必要な者については、入居者選考に おいて優先的に取り扱うことが可能です。[倍率優遇方式、戸数枠設定方式、ポイント方式]
(国土交通省「公営住宅制度について」資料より)
具体的な内容は地域によって異なりますが、多くの地域で実施されているのは「抽選確率の優遇」と「障がい者専用住宅の整備」です。
「抽選確率の優遇」とは、抽選方式で入居者を決める場合に、障がい者手帳を持っている人の当選確率を上げて、入居できるように優遇することです。「障がい者専用住宅の整備」とは、公営住宅の中にバリアフリー住宅を整備して、身体障がい者手帳を持っている人などが入居できるようにすることです。参考として横浜市の例を紹介します。
公営住宅優先入居の例(神奈川県横浜市の場合)
- 1. 一般申込者より当選率を優遇
- 2. 入居収入基準の世帯の月収額を緩和
- 3. 障がい者の住宅使用料の特別減額制度が適用される場合がある(※所得制限あり)
(横浜市「市営・県営住宅への入居優遇」資料より)
詳しいことを知りたい場合、役所の公営住宅担当部局の窓口に確認をしましょう。
誰が利用できるのか
障がいの有無に関係なく、公営住宅に入居するためには次の条件を満たすことが必要です。
公営住宅の利用条件
- 収入が少ないこと(収入基準)
- 入居できる人の収入の上限を都道府県や市区町村が定めています。
- 住宅に困っていること(住宅困窮要件)
- 自ら所有する住宅を持っていないこと
- 自らの収入に比べて非常に高い家賃の民間の賃貸住宅に住んでいることなど
(国土交通省「公営住宅制度について」資料より)
上記の条件を満たしたうえで、障がい者の優先入居を希望する場合には障がいに関する条件(手帳の等級、年金の証書の有無、知能指数の検査結果など)に該当しているか、確認が必要です。
公営住宅優先入居の対象者の例(神奈川県横浜市の場合)
現在、同居し、または、同居しようとする家族に次の人がいる世帯
- 1~4級の身体障がい者手帳の交付を受けている人
- 1・2級の精神障がい者保健福祉手帳の交付を受けている人
- 精神に障がいのある人で1・2級の障がい年金の証書を交付されている人
- A1~B1の愛の手帳(療育手帳)の交付を受けている人
- 知能指数50以下と判定された人(※市営住宅のみ)
(横浜市「市営・県営住宅への入居優遇」より)
利用できる期間・年齢
公営住宅の優先入居の制度に利用には、期間・年齢の定めはありません。
どうすれば利用できるのか
公営住宅に入居するためには、都道府県や市町村が入居の募集をしている期間内に申込みをすることが必要です。詳しいことを知りたい場合は、役所の公営住宅担当部局の窓口に確認しましょう。
よくある疑問とその答え
- 障がい者手帳を持っている家族がいます。公営住宅への優先入居は、手帳を持っている本人だけが、優先入居の対象になるのでしょうか?
- 障がい者手帳を持っている人とその家族が優先入居の対象となるかどうかは、自治体によって異なります。役所の公営住宅担当部局の窓口に確認しましょう。
- 公営住宅にはずっと住み続けることができますか?
- 入居できる条件を満たしている限りは、住み続けることができます。ただし、所得が多くなった場合などには退去しなければなりません。