動画でわかる障がい者福祉制度・サービス

障がい者雇用促進法(特例子会社)障がいがある人の安定的な雇用を増やし、事業主が守るべき障がい者雇用のルールを定めた「障がい者雇用促進法(特例子会社)」とは

動画でわかる「障がい者雇用促進法(特例子会社)」の概要

はじめにはじめに

「障がい者雇用促進法」は、障がいのある人が安心して会社で働くことができるよう、会社(雇用主)が守るべきルールについて定めた法律です。障がいがある人の雇用の安定を目的に定められた法律で、会社の規模によって雇用する障がい者の割合が設定され、義務付けられています。

障がいがある人の雇用に関して特別な配慮を提供する子会社のことを「特例子会社」と呼びます。「障がい者雇用促進法」における特例子会社の内容、対象、利用できる期間、利用までの流れ、よくある疑問について詳しく説明します。

01障がい者雇用促進法(特例子会社)とは

「障がい者雇用促進法」とは、障がいがある人の雇用が安定することを目的とする法律です。主な内容は次の3つになります。

・障がい者を会社が受け入れる「雇用義務制度」
・障がい者に対して職業訓練や職業紹介などを行う「職業リハビリテーションの促進」
・障がい者に対する職業上の「差別禁止」や「合理的配慮」の提供

障がいのある人が仕事を始めるための準備として職業訓練や、企業に応募する際の職業紹介や面接指導などのサポートなど、障がい者雇用促進法によって障がいがある人の雇用を増やすための取組みが行われています。

障がい者雇用促進法では、会社が障がいのある人を雇う「雇用義務制度」があります。雇用義務とは、一定割合で障がい者を雇うことを会社に義務付けることで、会社には障がい者雇用率(従業員に対して障がい者が何人働いているかの割合)が定められています。法律で義務付けている民間企業の法定雇用率は「2.2%」となります。2021年4月から、2.3%へ引き上げられることが決まっています。

特例子会社制度とは?

障がいのある人が安心して働けるよう、会社側は働きやすい環境を整える必要があります。しかし、大企業の場合はすべての部署で障がいのある人それぞれの特性に合わせて雇用条件を整備し、職場環境を調整するのは難しい場合があります。そこで、国の定める一定の要件を満たし、厚生労働大臣の許可を受けた子会社で障がいのある人を雇用した場合、親会社と合算し雇用率を算定することができるようにしたのが特例子会社制度です。

  • 特例子会社のメリット
  • ―それぞれの障がいの特性に合わせて仕事を進められ、自分の力を発揮しやすくなる
  • ―職場環境が整っているため、長期的に働くことができる
  • ―柔軟な雇用管理のもと、それぞれに見合った労働条件で働くことができる
  • ―障がい者の雇用機会が広がる
  • ―親会社は特例子会社の障がい者雇用数を合算することができる
  • 特例子会社制度を利用するために、企業は以下の要件を満たす必要があります。
  • ・親会社が子会社の意思決定機関を支配していること
  • ・親会社が子会社に対して人員を派遣したりするなど、人的な交流が行われていること
  • ・会社で働く障がい者が5人以上で、従業員全体の20%を占めていること。さらに、重度身体障がい者、知的障がい者および精神障がい者の割合が、働いている障がい者のうち30%以上であること
  • ・環境改善、専任指導員の配置など、障がい者の雇用管理を適切に行うことができること
  • ・障がい者の雇用促進、および安定が確実に見込まれること

(厚生労働省資料を元に作成)

02誰が利用できるのか

特例子会社制度の定めのある障がい者雇用促進法で対象となるのは、身体障がい・知的障がい・発達障がい・精神障がいのある人や難病の人などです。

障がい者雇用率に算定できるのは原則として障がい者手帳を持っている人となりますが、知的障がいがある場合は手帳がなくても児童相談所や更生相談所の判定書により、障がい者雇用の対象となるケースがあります。

03利用できる期間・年齢

特例子会社に利用期間の制限はありません。利用年齢については、未成年者の場合、労働基準法で定められている保護規定により、労働時間や仕事の内容に制限が設けられていることがあります。また、定年退職後は対象から外れますが、会社ごとに定年退職の年齢が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。体力の衰えなどの理由から会社を早期退職する場合も同じです。

特定子会社を就職先として選ぶ場合、未成年者は労働基準法で定められている保護規定により、労働時間や仕事の内容に制限が設けられていることがあります。また、会社ごとに定年退職の年齢が異なるため、あらかじめ確認しておきましょう。体力の衰えなどの理由から会社を早期退職する場合も同じです。

03どうすれば利用できるのか

障がいのある人が特例子会社で働きたい時には、お住いの地区地域にあるハローワークや障がい者就業・生活支援センターなどで特例子会社の情報をもらい、実際に見学などをして求人があれば応募します。入社試験などを受けて採用が決まれば働くことができます。

よくある疑問とその答えよくある疑問とその答え

  • question
  • 特例子会社は全国にあるのですか?
  • question
  • 北海道から沖縄まで、全国にありますが、都道府県によっては特定子会社がないところもあります。
関連項目(外部サイト)
  • question
  • 特例子会社ではどんな仕事をしているのですか?
  • question
  • 特例子会社の事業内容は、会社によってさまざまです。障がいのある人が働いている職種としては、事務、運搬、清掃、包装業務、工場でのライン作業などが多いようです。また、サービス業や製造業で働く人が多くなっています。希望職種などがある場合は、事前にハローワークなどで相談してみましょう。
  • question
  • 社会保険や年金などは、一般の会社と同じですか?
  • question
  • 会社で働く場合には、雇用条件にもよりますが一般の会社と同じく厚生年金や社会保険に加入します。労働保険も保障されます。また、仕事の内容や就労状況によっては、特例子会社で働いていても障がい基礎年金が認定されることもあります。
関連項目(外部サイト)